今週のお題「ゾッとした話」
今回のテーマは、「ゾッとした話」かぁ。僕の「ゾッとした話」にまつわることと言えば、あのお話になるのかな・・・。
まだ義務教育時代だった頃のお話。怪談話ばかり集めた本を買いました。毎月少ししか貰えないお小遣いで買った貴重な本です。もう少し人生の糧になるような本にしておけばいいものの、なぜ、怪談話を集めたような本を買ったのかはもう覚えていません。
その怪談の中の一話だけが、何故か今でも記憶として残っているのです。
その内容とは・・・
ぶっちゃけ、その内容をここに転記できるほど、事細かに覚えてないんですよ。まあ、それに一文字一句転記すると著作権の問題が発生してしまいますしね。なので、自分なりにストーリーを創作してこんな感じだったっていう風に仕上げてみました。
あれは、とても蒸し暑い夏の夜のことでした。村はずれの真っ暗な夜道を歩く二人の人物がいました。街灯もなく、周りにある腰の高さほどに茂った雑草がゆらゆらと揺れています。もう1時間ほど歩いているのに、誰一人すれ違う人はいません。
突然、一緒に歩いていた一人がしゃべり始めた。
「この村には昔の伝説が残っていて、徳のある僧侶が、自分は仏になるんだと言って地下深く穴を掘り、呼吸できるように竹筒を通しただけの土の中に入って断食と読経を続けたという。ときおり鈴を鳴らして、地上にいるお弟子さんたちに生存を伝えたという言い伝えがあるそうだ。」
「そ・それで、どうなったの?」
「あははっ。この伝説はね、いまから300年も前の話だ。もうとっくに成仏しているに決まってるさ。」
その瞬間、これまで騒がしく鳴いていた夏の虫たちの声が一斉に止まった。
『ちりりり~ん、ちりりり~ん』
とまあ、こんな感じのストーリーだったんだよね。
随分昔の事なので原作と大きく変わっていたらご勘弁を。
なんせ、なけなしのお小遣いをはたいて買ったこの本、一度読んだだけで友達に貸してあげたら、それっきり戻ってこなかったんだ。
他のストーリーはみんな忘れてしまったのに、このストーリーだけ覚えているっていうのもミステリアスな気がするんだけどね。今、手元に本があれば、簡単に確認できるのに、その本がない。
日本のホラーって派手さがなく恐怖として描くので、外国映画のホラーとは違う怖さがあるってことを何かの本で読んだことがある。怨念、妬み、嫉妬・・・ほら、考えただけで怖くなるでしょ。いつまでも恨み続けるって、ちょっと怖いじゃないですか。
その後、こういう言葉があることを知った。
『本を貸す馬鹿、返す馬鹿』
もっと早く知っていたら、貴重な本を貸すことをしなかっただろうに。
貸した本人は意外と覚えているもんですよ。そう、しつこいくらいに。
とりあえず、このブログに書いておきますね。
貸したことを永遠に忘れないように・・・・