マイナンバーカードを保険証として利用できる手続きを行うと、7500ポイントが貰えるという大盤振る舞いのブログを以前書いたところだが、その手続きでめちゃめちゃ不思議に思っていたことがある。
不思議に思っていたのは、マイナンバーカードをコンビニの機器にかざしただけで自分の持っている健康保険証と紐づけできたことである。
僕の持っていた紐づけのイメージは、マイナンバーカードと持っている保険証を関連づけるために、両方のカード(マイナンバーカードと保険証)を公的機関の有人窓口に提出して処理を行ってもらうか、持っている保険証のスキャンデータがコンビニの機器を通じて転送されて照合するようなイメージを抱いていたからだ。
でも、実際は保険証なんて出すこともなく手続きが完了してしまった。なんか狐につままれたような気分だ。これでマイナンバーカードがマイナ保険証として使えるのか?という感じの手軽さだった。
さて、今回読んだこのニュース。なんでも、「協会けんぽ」と呼ばれている健康保険加入者の1%に当たる約40万人分の紐づけ作業が終わっていないと書いてある。
そうなのである。そもそも、健康保険証に書かれている情報とマイナンバーのひも付け自体は、2016年もマイナンバー制度が開始された直後から始まっているらしいのです。その作業が始まってから7年程度経ちましたが、未だにすべてのマイナンバーが健康保険証などの保険情報とひも付いていないというニュースだったのです。
7年経っても結びついていないという一番の原因は、全ての人がマイナンバーを保険者に知らせていないというのが一番大きな原因なのかなと思いますが、考えてみると国民の全ての人がきちんと自分のマイナンバーを保険者に知らせるということ自体、無理がある気がします。100歩譲って、これが出来ていたら少なくとも「紐づけなし40万件発覚」のニュースは無かったでしょう。
でも、常にマイナンバーが最新の保険証と結びついているという状況は今後永久に保てられるのでしょうか。退社した時の失効、国民健康保険への加入、再就職した時の紐づけ。子供が生まれた時の新規の紐づけなどはどうなってるのでしょうか。これらについても今まで通りのやり方をしていたら、大変な労力の無駄、そして誤紐づけの原因になると思うのですが、このあたりはきちんと省力化されているのか気になるところです。
マイナンバーがあるのなら、その番号と情報を使って保険証の発行を行えば勝手に紐づくし、登録情報の誤りも発見されやすいと思うのですが、マイナンバーを保険証発行のために使える法律にはなってないんでしょうね。
で、ここからが僕が疑問に思った本題です。
マイナンバーカードに保険証を紐づける行為を7500ポイントも税金を使ってさせた理由は何だったのでしょうか!?
今まで書いてきたように、マイナンバーと保険証は既に結びついているんだから、わざわざマイナンバーカードと結びつける必要はなかったのではないかと。
僕はマイナンバーカード=マイナンバーがわかるカードだと思っています。なので、病院の窓口でマイナンバーカードを出せばマイナンバーが取り出されて、そのマイナンバーに紐づけられている保険証の記号番号などの保険情報が病院側に示される仕組みになっていると思っているから、コンビニ窓口で紐づけさせる行為は省略できたのではないかと主張したいのですが、違うのでしょうか。
いや、これは僕の思い込み違いでしょうね。ちょっとマイナンバーカードを買いかぶりすぎました。現状は、マイナンバーカードを発行した時点で、マイナ保険証としても使えるようにならず、わざわざ各自がマイナンバーカードと保険証を紐づけする作業を行ってはじめてマイナ保険証として使える仕組みとなっており、マイナンバーが悪用されないようにセキュリティを最重要視したカードなのでしょう。
結局マイナンバーとマイナンバーカードの役割分担がよくわからないんだよね。おそらくセキュリティを保つために目に見えない莫大な維持コストがかかっているんだろうけど、それをきちんとわかりやすく公表しないし、マイナンバーカードを活用した便利な世の中、スピードアップの世の中、ワンストップの世の中といった具体的なメリットも示されないから持っている楽しみもないんだよな。
話をもとに戻すけれど、マイナンバーカードに保険証を載せたいのなら自動で付帯するようにしないと。
でないと、マイナンバーカードの有効期限が切れる数年後に、『7500ポイントはやらないけど紐づけの手続きはしろ、万が一紐づけが間違って他人の情報がでちゃうかも知れないけどな』っていうのなら、政府の支持率がまた落ちると思うわ。それとも、政府はもう支持率なんて気にしていないのかな。どうせ低くても対抗馬は出てこないんだから。