携帯画面に表示されているアイコンが70を示している。
3月31日の退職日まであと70日だというサインだ。
退職を決めた日に、もういくつ寝れば退職日なんだろう・・・と、日本の唱歌「お正月」の歌い出しの感じで調べてみたら76日だった。
イベント事なんかによくみられるような「○○まで、あと100日」というキリのいい数字の日は既に一か月以上も前に過ぎており、もはや100日を割っていたのである。
そこでこれから退職するまでの間、10日毎に祝おうじゃないかと思いカレンダーに書き込んだのだが、やはりカウントダウンが表示できるサイネージのようなものが欲しいと思いスマホのアプリで探してみた。
世の中、同じようなことを考えている人は多いようで、探しているのにぴったりなアプリがいとも簡単に見つかったのである。
かくして、自分のスマホには毎日カウントダウンしていくアイコンが表示されており、本日は70日前というキリ番の日だった。
あと70日という記念の日だからと浮かれて家族に話すと、何がメデタイ中途退職のくせに。退職して昼間から家でゴロゴロされると近所から白い目で見られるし、会社を辞めたって親戚に何と言えばいいんだか、という母親の言葉だった。
いやいや、土日勤務の今の会社に移ってからは、もう3年間も平日は家にいることがあるから今更近所の目がって言われてもな。しかも親戚に何と言えばって、別に隠すことじゃないのでそのまま言ってしまえばいいだけじゃん、って思った。
やはり昭和世代だと定年退職が普通でまともな人生なんだろうな。「サラリーマンは 気楽な稼業と 来たもんだ 」と歌われた時代と比べると、社畜と揶揄される今の会社員は息抜きするような時間もなく、結構大変なんじゃないかなって思うんだけどな。
これからは、あと何日というキリ番の日は自分一人で祝うことにしよう、と誓った日でもあった。