『いやー懐かしい、このパッケージ。』
某ドラッグストアの閉店セールの売り場で見つけたチョコレート。なんと3割引で売っていた。手に取ると、軽い。
『あれ、こんなにも軽かったっけ。』
パッケージには50gと書かれている。
『なんでも値上がりしているから、この商品も昔と比べると小さくなったのかな。それとも、以前から50gだったのに気づかなかっただけなのかな。』
値段は税込みで138円。
『んー、こんなにも高かったのか』
普段買わないので、値段の相場がわからない。
まあ、とにかく手元のQRコード決済の残金を無くしたかったのだ。
一時期QRコード決済がいろいろと出回った時に、普及させるために各社が競ってかなりお得なセールをしていたのを覚えているだろうか。その時にインストールしたQRコード決済は、PayPay、auPay、LINEPay、楽天Payにd払い。そのお得な期間が終了し、それ以降使ってないので、今でも使い切れなかった残高が残っているのだ。
今回、auPayの2つあるIDを統合させる必要があり、残っている400円余りの残金が消えてしまうと嫌なので、とりあえず使いきることが今回の買物の目的だったのだ。
使い切る方法を男性店員に聞いてみた。
『当店では、残高以上の商品を買うことができません。残高以内でお願いします。』
残念ながらこの店舗ではゼロにすることは不可能みたいだ。
仕方ないので、残高以内で買えるチョコレートの個数を計算してみた。
5個だと、138円×5×0.7で483円。これだと残高を40円程上回ってしまうので、買えない。4個だと、138円×4×0.7で386円だからOKだ。
入念に計算した結果をもとに、僕はロッテガーナミルクチョコレート4箱を手に持ってレジに向かった。
『auPayの支払いでお願いします。残高の範囲内だとダメだと言われたので、4個です。』と言ったら、なんと、『残高超えた分は現金で清算できますよ。』と。
さっき、わざわざ確認したのに、店員によって対応が違うんだ・・・。こっちの店員にして良かったぜ。
『どうします?同じのをもう1個買いますか?』
『はい。そうしてください。』
僕は、auPayの残高がゼロになることがとても嬉しくて、二つ返事でお願いした。
かくして、清算額は483円となり、残高を超えたので超えた分を現金で支払うことになった。生憎手元に小銭がなかったので、恐縮しながら1000円札をだして、たくさんのお釣りをいただいた。
その後、メンバーズカードの扱いについての説明や系列店舗のご案内、その店で使える割引クーポン券ももらった。
『袋はどうしますか?このままで結構ですか?』
レジ袋が有料になってから、まだ一度もレジ袋代を支払ったことのない僕は、当然のように持っていたバッグにレジ上にあるチョコレートを一気につかんで放り込んだ。
こうしてauPayの残高ゼロ円化に成功したうえに、チョコレートを3割引きで5個も買えた喜びに浸りながら家に帰ったのだった。
この話には続きがある。
家に帰って、バッグの中からチョコレートを取り出す。
1,2,3,4・・・
あれ?
1,2,3,4・・・
5個目が出てこない。
バッグの中身を全部だしても、5個めのチョコレートが無いのである。
消えるマジックかい!!
ただ僕のほうにも、あれからチョコレート売り場に5個目のチョコレートを取りに戻った記憶が無いのである。