瀬戸内海を航路とするこのフェリー、途中で3大架橋と呼ばれる、明石海峡大橋、瀬戸大橋、来島大橋をくぐり抜ける。
明石海峡大橋は出航してからそれほど経過しておらず、まだ早い時間なので苦もなく見ることができるが、瀬戸大橋になるとちょっと煩わしさを感じてしまう時間帯である。でも、なんとか甲板に出て巨大な橋を見上げて、驚嘆の声を上げることができた。
問題は、来島大橋だ。さすがに起きる気力もなく、いつ通り過ぎたのかもわからないまま、航海を終えた。
2等寝台の寝心地だが、小刻みな振動がちょっと気になるものの、寝られないというほどではない。早朝、間もなく接岸するという船内アナウンスで目が覚めるまで、ぐっすり寝てしまったのである。
新門司港からバスで青の洞門に向かう。修学旅行で一度来たことがあるが、その風景については全然記憶がなかった。この洞門、その昔は通行するのにお金が必要だったという説明があり、どうやら有料道路だったようだ。
船から下りた時には土砂降りだった雨も、洞門に着く頃にはほとんど気にならなくなり、鞄から取り出した傘を使わずにすんだのも幸運だった。
青の洞門を抜けると、早朝のすがすがしい空気と山々の紅葉で、とても幻想的な風景が広がっていた。