「あいち・なごや周遊観光パスポート」を使っての愛知県訪問の旅。
7コース目の今日訪れたのはたったの1か所で、その名も「明治村」。自家用車を使っての旅でした。施設のオープン時間が10時からということと、高速道路のICからそれほど離れていない施設だったので、いつもより少し朝の出発に余裕ができたのが嬉しかったです。
明治村は12月になると、明治村直営の駐車場が500円になります。正面ゲート近くにある駐車場はどうやら民営駐車場のようで、明治村直営の駐車場はそこから細い道を行った先にあり、園内への入り口も正面入り口ではなく北口ゲートを利用して入ります。
明治村を訪れるのは久しぶりでした。今回、汽車と路面電車の1日乗車券を買うつもりでしたが、なんと月曜日と火曜日は汽車の運休日だったのです。
なので乗るのは諦めて、すべて徒歩移動にしました。バスも20分間隔で園内を周遊しているのですが、そう頻繁に利用することはないだろうと考えてやめました。あの広いハウステンボスでさえ、無料で乗れる場内バスを利用する頻度はそれほど多くないんだから。
さて、この明治村への入場料は2500円。これを高いと思うか、格安と思うか。
最初、博物館料金としては高いかなって思ってましたが、季節的に散歩するのにちょうど良かった時期でもあり、今日入ってみて「これって、意外といいんじゃない」って思い直しました。
というのも、園内の紅葉が綺麗でした。周囲は雑木林で自然がいっぱいです。建物と建物の間は密集しておらず、適度な間隔があって散歩間隔で建物を楽しむことができます。明治時代に建てられた建築物を単に見るだけでなく、建物の中の展示やパネルの説明書きを楽しむことができます。そのため、ちゃんと説明まで読んでいると、あっという間に時間が経ってしまいます。
また、建物の詳しい説明や普段は入ることができないエリアに案内していただける建物ガイドやボランティアガイドツアー、それと利用しなかったのですが建物ガイドイマーシブといった各種ガイドが充実していたのにはビックリしました。建物ガイドの担当者はかなり勉強されているようで、幅広い知識で説明していただきました。これだけでも2500円の価値があるわ~。その昔、ハウステンボスの一番奥にあるパレスハウステンボスなどの建物にもこういった案内役の人がいて時代背景などを説明していたのですが、いつの間にかなくなってますからね。
この建物ガイドは最初4館でスタートしたらしく、新しく2館増えて現在は6館で説明しています。開始時間が決められているので、事前に計画を立ててから臨めば良かったのですが、私は当日知ったため3館しか見られませんでした。普段は立ち入り禁止で入れないところが見学できるというのが私にとっては一番の魅力でした。
さて、12月の平日の明治村は10時オープンで16時クローズです。見学時間は6時間しかありません。でも園内の広さは半端じゃないくらい広いです。約100万平方メートルっていうから、ディズニーシーとディズニーランドを足したくらいあります。
見て回れる建造物も1丁目~5丁目の5つのエリアで60カ所以上あって、国指定重要文化財となっている建物だけでも11カ所ありました。
ディズニーやUSJのように何かを体験するアトラクション的なものは無くて建物を見るだけなので、平日だということもあって入場する際の待ち時間はゼロなんだけど、丁寧に見て回っているととてもじゃないけど1日では回り切れない・・・と思う。
実際私は今日、3つのエリアしか行けませんでした。しかも、その3つのエリアにある建造物を全て見たわけでもないし。おそらくあと2回は行かないと満足できないでしょうね(笑)
そんな感じで、とにかく三重県ゆかりの建物だけでも全部見ようと思ってましたが、1丁目にある三重県庁舎と三重県尋常師範学校・蔵持小学校には辿り着くことができませんでした。残念!
あと驚いてしまった展示パネルがあります。それは3丁目にある長崎居留地二十五番館にありました。長崎県と言えば、今クールのTBSテレビで放映されている日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』ですよね。このドラマでは端島(軍艦島)が登場するんです。軍艦島と言えば以前から私が『行きたい、行きたい』と思っている島なのですが、何十回と長崎県に行っておりながら未だに行けてない場所でもあります。ドラマの影響で観光客が殺到してしまい、安全上の理由により閉鎖されてしまわないかと少し心配しているところです。話がそれましたが、この端島についての展示パネルがありましたので、ついつい見入ってしまいました。ドラマのシーンで出てくる長い階段があるのですが、これかな?と思うような写真もありました。そこには「地獄段」と書かれてましたw
その他、北里研究所本館・医学館を見学したときのことです。日本銀行の新券PRポスターが飾られていたのはすぐにわかりました。新千円札の肖像画は北里研究所創設者の北里柴三郎博士ですから。でも、NHK連続テレビ小説の「虎に翼」のPRポスターが飾られている理由がわからなかったのですが、調べたら主人公の猪爪寅子が通う女学校の外観のシーンにこの建物を利用して撮影が行われたということでした。
ロケ地で思い出したのですが、高田小熊写真館の建物ガイドさん曰く「今再放送されているNHKの『坂の上の雲』で、秋山と広瀬の記念撮影シーンはここで撮影されたんです。」と言ってました。
このように見てくると、明治村ってすごいポテンシャルを持った観光地なのではないかと思えるようになってきました。
さすが明治時代の建物の集まりだけあって、ロケ地としても活躍するんだなって褒め称えたいところなんですが・・・・。
ちなみに帝国ホテル中央玄関が明治村の中では一番大きい建物だそうですが、このフランク・ロイド・ライトが設計した帝国ホテルの着工は大正8年で、竣工は大正12年です。開業当日に起こった関東大震災(大正12年9月1日に発生)に際しても、ほとんど被害を受けなかったということでも知られているので間違いないでしょう。
ということは・・・。
明治村って明治時代の建築物を集めた博物館として名を馳せているのに、どうして大正時代の建築物が展示されているの?ってなるでしょ。
帝国ホテル中央玄関が明治村で展示されるようになったいきさつをボランティアガイドさんから伺っており、そういう例外もあったんだって思いましたが、改めて調べてみると、明治村には明治時代以外の建築物もいくつか存在していることがわかりました。
西園寺公望別邸「座漁荘」は大正9年、川崎銀行本店は昭和2年に建築されたものであり、日本の建造物だけでなくブラジルやアメリカの建造物も展示されていることもわかりました。
こんな感じで、明治村を知れば知るほどもっと知りたくなってくるという不思議な博物館のお話でした。
おしまい。