やまとの少しニッチな日記

徒然なるままに~自分の体験談を中心に、思ったことを綴っています。

ホエールウォッチング(その21)


船の先端に出て待つこと、二十数分。

あれから変わった出来事は、なにもない。クジラも出てこない。海の状況も変わらず、相変わらず波が高い状態が続いている。

暇だ・・・。 ^^;

クジラが出てこないと、何も景色が変わらないから単調な海の上にいることになる。
かといって海から目をそらすと、今日の場合は見逃してしまう可能性が高い。なんといっても、一瞬の潮吹きが2〜3回程度続くだけなのである。

遠くに、他のホエールウォッチング船が帰っていくのが見えた。
多分那覇市からの遠征であろう。帰港時間が決まっているので、それほど長く慶良間にとどまっているわけにはいかない。僕らの船より遅れてこのポイントに到着しているので、それまでにクジラを見てなければ、クジラをほとんど見ていないはずだ。
その船の上には、大勢の人が乗っていた。客室の屋根の上に乗って見れるタイプのクルーザーだったので、見晴らしはいいはずだ。しかし、あれだけ人が乗っていると移動することが困難なので、反対側の海にクジラが出現したときは指をくわえて見ているしかないのでは?と思われた。

しかし、もう帰ってしまうのか。。。
不完全燃焼じゃないのかな。
こっちだって、まだまだ見足りないくらいなんだから。

そのとき、ガイドさんが言った。

「は〜い、そろそろ席替えしま〜す。船の前にいる方は、後ろの方と変わってください!」
「もう一回クジラが見れたら替えようと思っていましたが、なかなかクジラが現れないんで交替しま〜す・・」

そうだったのか。。。いつまでも前の席にいられるわけじゃなかったんだ。しかも、最後にクジラを見てから替えるつもりだったのに、そのクジラも見終えないうちに交代かよ・・・。

船の後ろの席に移る。船の後方に立つと、前方に座っていたときと同じだけの180度の視界は確保できるが、疲れたから座席に座ってみるというわけにはいかない。座席に座ると、側壁があるため船の後方部分しか視界に入らないのである。

仕方ないので、側壁にもたれながら立って海を観察する。

ずいぶん長い時間が流れたような気がする。
これまでの成果と言えば、遠くにクジラの潮吹きとテールを見ただけである。
おそらく、今シーズン最悪のホエールウォッチングツアーじゃないのかと内心は思っていた。
あとで、ガイドさんに確認しよっと・・・。

そう思っていたら、いきなり船が動きだした。

前方に潮が上がったようである。

船が前に進みだすと、後ろの席は最悪だ。前方で船がかき分けた波しぶきが細かい霧のようになって強風に乗って襲ってくる。たちまちビデオのレンズが塩水で汚れてしまった。レンズが乾いたら、塩が残って無数の斑点ができてしまうし。

それに、クジラが見れない。

一頭しかいないクジラに向かって船が進んでいる。船の後方からだと、キャビンが邪魔をして前方の視界は皆無なのである。うまく船の側面にクジラが現れたとしても、右側面なのか左側面なのかでクジラが見れる確率は二分の一なのである。

クジラを見ようと、必死になって船の後方を左右に行ったり来たりしながら駆け回る。

今日は乗客が少ないからこれだけ動け回るけど、さっき見た船のように、人がいっぱい乗っていたら大変だろうなぁ。