やまとの少しニッチな日記

徒然なるままに~自分の体験談を中心に、思ったことを綴っています。

久しぶりの東京旅行(6)

チームラボプラネッツ

 ついにやってきました。この会社、随分前から注目されていたようで、期間限定で作品を展示してという噂は聞いていたのだが、東京という遠方だったことから、なかなか訪問する機会がなかったのだが、ひょんなことから豊洲にもあるということがわかり、今回の訪問に至りました。

 入場チケットが必要で、料金は3200円。入場する時間帯を最初に選択して予約する必要がありますが、滞在時間や退室時間は特に決められているわけではないとのこと。なので、飽きるまで作品を見てみようという気になり、必然的に入場は一番早い時間帯で予約を行った。

 入場するのもハイカラだ。コロナ感染症の対策となる検温も自動でおこなってくれるみたい。モニターによる説明もあり、ディズニーリゾートのアトラクションみたいだなという感想。続いてたくさんあるロッカールームでは、靴と手荷物を入れ、そこで靴下を脱いで裸足になる。いきなり水のエリアに突入することになるので、ズボンもまくり上げておいたほうがいいようだ。カメラやスマホは持って行っても大丈夫だが、水没の恐れがあるので十分気を付けないといけない。

 

坂の上にある光の滝エリア

 

 水が流れている坂道を登っていくことになる。水は冷たいというより、なま温かい感じで、温度による刺激はほぼない。ただ単に水の感触が伝わってくる不思議な感覚となる。

 

やわらかいブラックホールエリア

 これは面白い。巨大なビーズクッションが延々と続く。一歩進むごとに足をとられて地中に沈み込んでいく。身体も安定しない。なんせ踏ん張る足が沈んでいくから、左右によたよたと歩く感じになってしまう。人からみたら、ゾンビが歩いているように見えるかも知れない。そして、移動距離の割には非常に疲れる。沈み込んだ足をもとに戻すのに高く上げる必要があることや、左右に振られながら歩むことになることや倒れまいと余分なところに力が入ってしまう等の理由によるものだと思われる。もちろん、ただ真っすぐに出口に向かうだけではつまらないので、この不思議な感触を目いっぱい楽しもうと、わざと大回りして蛇行しながら進んだことが疲れた最大の原因だと思う。

 若い時に鳥取砂丘を波打ち際まで歩いたあと、丘に戻ろうとしたら砂の斜面に足を取られてなかなか思うように進めず、疲れ果ててしまった記憶がよみがえってきた作品でもある。

 

 

 今回の作品の中で最も気に入ったのが、この「The Infinite Crystal Universe」という作品である。スマートフォンにアプリを入れていると楽しみが増えるのも斬新なアイデアだと思った。解説によると、永遠に変化していくと書かれているが、見ていてなかなか飽きることがなく、この場所だけでかなりの時間過ごしてしまったのも事実である。

 ちなみに、写真よりも動画の方が面白いと思ったので、はてなブログに初めて動画というものを貼ってみた。YouTubeで限定公開としているが、このはてなブログからきちんと見られるものなのかどうかも不安である。

 

人と共に踊る鯉によって描かれる水面のドローイング エリア

 広大に見える池の中に入っていくと、水面に投影された鯉が泳いでいる。鯉の動きは人に影響を受けるそうである。そのうち、鯉が泳ぐ軌跡となって線に変化していく。

 これもリアルタイムで描かれ続けており、この瞬間の絵は二度と見ることができない作品となっている。裸足でひざ下まで水に浸かりながら広大な池の鯉を追いかけて楽しむ作品かな。ちなみに広大に見えるというのは、四方の壁が鏡になっているため、ものすごく広い空間に見えるためである。

 

倒景の憑依する炎

  水が張られた狭くて暗い空間で、形を様々に変えていく炎が描かれている。この炎を鑑賞しながら感傷に浸る・・・っていうことではないのかも。

 ここでは、アプリにこの炎を取り込んで持ち帰ることができるようだ。できるようだと書いたのは、チャレンジしたものの上手くいかなかったからである。アプリの入れ直しやGPS、ブルートゥースの設定等々、何名かの係の人にも手伝っていただいてチャレンジしたが、結果としては自分のスマホには炎がともらなかったわけである。

 もし、持ち帰ることができれば、その作品を他の人のスマホに近づけて同じように炎をともすことができ、その炎が世界中に広がっていくとのこと。ネットワーク社会なので、炎は瞬く間に広がっていくかも知れない。そうなれば、また自分にもその炎を取り込むチャンスがやってくるかもしれない。そういう意味では、未来にも希望が持てる面白い作品だなと思った。

 

意思を持ち変容する空間、広がる立体的存在 - 平面化する3色と曖昧な9色、自由浮遊エリア

 ふわふわと空間に浮かぶ大小さまざまなボール。叩くと色が変化して音色まで変わるなど、見てて飽きない。一定の時間、風や気圧が変化するようで、球体は一か所に偏ることなくふわふわと漂う様子が楽しい。それを人間が押したりして、押されたボールがビリヤードの玉突きのように他のボールに影響を与えたり。

 そうだ!このボールに触れないように渡り歩こう。そう思って巧みに体を前後左右に動かしながら、ボールに触れないように移動して遊んだりもした。ただ、遠くからこちらに向かってくるボールなら予測できるが、時には近くにいる人間が思いっきりボールを押したりすることであっけなくボールに触れてしまうこともある。

 まさしく人生、一寸先は闇ですね。うまく人生を渡り歩いているつもりでも、ちょっとしたはずみで何が起きるかわからない。定年まで勤めるつもりで入社しても、はずみで途中退職っていうのも仕方ないのかも。

 

Floating in the Falling Universe of Flowersエリア

 このエリアに入った地点で、時間は12時を回っており、入館してから既に2時間以上経過したことになる。

 ここでは、ドーム型の天井いっぱいに花々が描かれている。時間とともに変化しながら1年間の花々が次から次へと描かれるのだ。その花が宇宙空間を漂うように、流れていく。で、描かれているのは花だけでなく、時々蝶が出てきているのに気がついた。どうやらスマホから自分で蝶を投げ入れることができるようだ。自分もやってみた。自分が選んだ蝶が画面の中に登場する。それだけでも嬉しくなる。

 寝転がって鑑賞していると、浮遊感を味わうことができる不思議な作品なのである。

 そう、寝転がっていると・・・・zzzz

 気がついたら、このエリアにきてからもう1時間近くたっているじゃないか。

 ちなみにこの作品もリアルタイムで描かれており、同じ作品は二度と見ることができないとのこと。

 

呼応する小宇宙の苔庭 - 固形化された光の色, Sunrise and Sunset エリア

 このエリアの作品は、これまでとは違って屋外にあり、日中と日没後で様子が変わる卵のような物体が敷き詰められた苔の庭園となっている。

 卵のような銀色の物体は、人に押されると音がでて、元に戻ろうとする。まるで起き上がりこぼしのように。で、日中は銀色の物体も、日没後は自ら光り輝きだすそうだ。ホームページの写真を見ると、様々な色に光り輝いていて綺麗な風景を醸し出しているが、残念ながら日没まではまだまだ時間がある。さすがにそれまでここに滞在しているわけにもいけないので、その姿を見ることは諦めた。でも、緑色の苔に銀色の変な物体がごろごろしていて、ときおり白い霧が覆いつくす。実像だけでなく、まわりの鏡にも映った虚像もあるから、数えきれないくらいの物体がうごめいている様は面白い風景になっている。

 

Floating Flower Garden: 花と我と同根、庭と我と一体 エリア

 ようやく最後の作品にたどり着くことができた。この時点でもう1時半を回っている。おなかも空いてきているのでそろそろ食事をしたいころだ。

 最後の作品は、ラン科の花々が数多く空中から吊り下げられている。それが、床面に張られた鏡に映って、一瞬花ばかりの空間で、人が入り込む場所がないように思える。

 実際は、鏡と吊り下げられた花との間には少しの空間があるので、そこに座ってみると、ゆっくりと自分の回りの花が上昇していくのである。少しだけ広がった空間を少し移動していくと、その部分がまた上昇して空間を作りだしていく。以前そこにいた場所は、またするすると花が下降してきて空間を埋めてしまっていく。なんとも不思議な世界を作り出している。

 これまで映像や光の世界で描かれることが多かった作品だったが、最後のこの作品は生花を使っているところが異色だと思った。

 カップルで来ている2人組は、左右に分かれてこのジャングルとも迷路とも言い難いエリアに入っていき、どこかで二人が再び出会うという楽しみ方もできるようである。

 もっとも一人旅の私にはまったく関係のない楽しみ方なのだが。行けども行けども誰にも巡り合わないという不毛な歩みを続けながら、反対側の入り口から脱出したのであった。

 最後の作品を見終わったのが2時。実に4時間にわたる鑑賞だった。